むし歯予防

むし歯を予防するには、歯を磨いていればいいと思われている方が多いと思います。
その考え方は、間違っているとはいいませんが、物事の本質を捉えているとはいえません。
ですので、虫歯についての正しい知識を身に付けて、それに対する解決策を学習することが予防の近道であると考えます。

むし歯のしくみ

キシリトール入りガムのう蝕予防効果

むし歯の原因

むし歯は一つの要因だけで発生することはありません。
三つの要因「むし歯菌」、「歯の質」、「糖質」が重なり合い、
その要因に「時間経過」が加わることで次第にむし歯は進行していきます。

むし歯を予防するには むし歯予防法

むし歯と時間経過との関係

飲食をすると脱灰作用が起こり、この作用は唾液の再石灰化作用でむし歯の進行が防がれています。
しかしながら、ここで再石灰化が行われるまでに繰り返し飲食を行ってしまうと、プラークのPHが酸に傾く頻度が多くなり、脱灰が進むことになります。

したがって、一般的な食生活に比べて、間食の多い食生活では脱灰が行われる時間が長くなり、再石灰化の時間が短くなってしまいます。
生活習慣の改善によって飲食の摂取時間、摂食回数を上手にコントロールすることで、むし歯の進行を防ぐことができます。 
もちろん、飲食後すぐにブラッシングを行いプラークの除去を行うことで、より効果的に予防することができます。

また、就寝中は、唾液の出る量が、起きている時よりも少なくなるので、唾液のムシ歯予防防止効果も下がってしまいます。
つまり、就寝前の飲食には特に気を使い、お子さんが寝る前には、プラークを取り除いておく事が重要です。


フッ素を用いたむし歯予防法  特に子どもの歯(乳歯)に対しての予防に効果的です。

フッ素(フッ化物)はどのようにしてむし歯の進行を防ぐのか?

・歯の表面の再石灰化が促進される
・フッ素が歯の表面や深層に取り込まれて酸に強い歯を作る(フルオロアパタイトが形成される)
・むし歯菌が酸を作るのを抑制する(フッ素でむし歯予防ができる最大の理由)

局所応用法 歯の表面に塗布し、飲み込まない方法

フッ素配合歯磨き粉 フッ素ジェル   予防効果20%〜30%
フッ素入りはみがき粉、フッ素添加歯磨き剤の事です。最近はほとんどの歯磨き粉にフッ素が添加されています。


フッ素洗口   予防効果50%〜80%
毎日一回ぶくぶくうがいするフッ素洗口。これは、ミラノールという商品名のものが売られています。


フッ化物歯面塗布   予防効果30%〜40%
主に歯科医院にて歯科医師や歯科衛生士が行う、高濃度のフッ化物歯面塗布法


フッ素スプレー   予防効果__%
フッ素イオンを100ppm含んでいます。低濃度のフッ素イオン液が歯質を酸に強いフルオロアパタイトに変え、むし歯を予防します。
レノビーゴという商品名のものが売られています。

全身応用法

フロリデーション   上水道のフッ素化
フッ素入りはみがき粉、フッ素添加歯磨き剤の事です。最近はほとんどの歯磨き粉にフッ素が添加されています。

さて、歯を強くするためにに使用できるフッ素の応用方法は、局所応用と全身応用がありますが、日本では、局所応用を積極的に推進されています。
より一層フッ素の効果を高めるには次のポイントを気をつけてください。

・フッ素を使用する前にプラークコントロールを行い、プラーク(歯垢)を落とす。歯磨きをしっかりする
・フッ素の濃度よりも、フッ素に触れる回数や歯の隅々まで行き渡っているかどうかが重要!
・複数のフッ素応用法を併用する。
・フッ素使用後、しばらくの間(30分くらい)は飲食しない。フッ素が流れてしまうため

キシリトール入りガムのう蝕予防効果

キシリトール100%を選ぶこと!!

現在、世の中にはむし歯予防効果をうたって、キシリトール入りガムが数多く販売されていますが、本当に効果があるのでしょうか?


キシリトールのむし歯予防効果は…。

・むし歯菌は、キシリトールを分解しても、砂糖のようなむし歯の原因となる酸をつくりません。
・むし歯菌は、キシリトールを分解する時、ネバネバした物質をつくらないため歯垢(プラーク)は、 ブラッシングで簡単に落とす・ことができます。
・ガムとして長時間噛むことで、唾液の分泌が促進され、唾液の清浄作用・緩衝能(お口の中の酸性度を中和する力)が高まります。
・唾液の分泌が多いほど唾液に含まれているリンやカルシウムも多くなり、その結果、歯の再石灰化作用が高まります。


選び方のポイントとしては、成分表にあるキシリトールの量と炭水化物の量に注目してください。

キシリトール 27.7g、炭水化物27.7gと記載されていればキシリトール100%ということになります。
また、キシリトール13.8g、炭水化物27.7gだとキシリトールは50%です。
このことからキシリトールの量÷炭水化物の量=キシリトールの含有率になることがわかります。

キシリトールが入っていても、他の糖分が入っていれば効果は半減し、キシリトール自体も50%以上入っていないと効果がありません。
キシリトールの優れた性質を有効にするためには、チューインガムやタブレット、歯磨き剤などが望ましいといわれています。
お菓子類を選ぶときにはよく確かめてください。


キシリトールの量÷炭水化物の量=キシリトールの含有量

例)キシリトール13.8g÷炭水化物27.7g=キシリトール50g

厚生省の特定保健用食品マーク

http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/
syoku-anzen/hokenkinou/hyouziseido-1.html
厚生省の特定保健用食品マーク

http://www.toothfriendly-sweets.jp/

もっと詳しく知りたい人は  日本フィンランドむし歯予防研究会  http://www.jfscp.gr.jp/

キシリトール入りガムのう蝕予防効果

6月4日は『むし歯予防デー』。
そして6月10日までの1週間は『歯の衛生週間』です。


むし歯予防デーの歴史は意外と古く、1928年から1938年まではむし歯予防デーが制定されて、1958年からは、6月4日の1日間だけではなく、6月4日から6月10日までを歯の衛生週間とされることとなった。
これは毎年同じ日に制定されており、歯を大切にしようという週間である。
歯を失う2大原因は「むし歯」と「歯周病」であり、奥歯1本を失っただけでも、噛む力はなんと35%も低下するという。
むし歯予防デーには各地の小学校や福祉センターなど様々な機関で歯に関するイベントをしており、むし歯を作りにくくする事や、むし歯が出来ると歯周病や口臭の原因にもなることなどを教えている。
むし歯を予防することで歯周病予防となり、そして多くの人が悩んでいるお口の健康を維持することが出来る。

まとめ

むし歯を予防するためには

残念ながら、間食たびにすぐに歯を磨いても、むし歯リスクを下げることはできません。やみくもに歯磨きの回数を増やすだけのむし歯予防を考えるのではなく、規則正しい食生活をキープし、唾液による歯の修復作業をしっかり行うこと、フッ化物を効果的に歯に作用させるため、歯科医院でのプロフェッショナルケアと自宅でのホームケアを確率するという2つのアプローチでメインテナンスを中心としたむし歯予防を考えるようにしましょう。

  • 間食は量ではなくて回数に注意
  • 生活習慣の改善。特に就寝前の飲食は控えめに
  • 日常のブラッシングではフッ化物配合歯磨剤を使う
  • 歯科医院への定期的なメインテナンス(ホーム・ケアとプロフェッショナル・ケア

こちらのページもご覧ください。

むし歯・歯周病

田中歯科本サイト_むし歯・歯周病

田中秀直

歯科医師として、自分の医院を持とうと思って以来ずっとこの考えを持ち続けています。
自分の体を安心して任せられる医院であり、そこには、確かな技術を持ち、信頼関係で結ばれている医師が存在していること。
そんな、歯科医院をめざしたいと思っております。

[所属学会]
日本口腔衛生学会 認定医
日本歯周病学会
IADR(International Association for Dental Research)


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